2017年08月07日

ダイヤのネックレス

 もちろん米国にとっても多大なメリットがある。今回のF−16生産許可により、インドの武器体系が旧西側標準(米国標準)への移行が望めるのだ。各種通信機器や搭載する各種誘導ミサイル、果ては艦船などとのデータリンクも将来的に導入される可能性がある。

 インドは伝統的に「非同盟」の外交路線を取っていて、特定の国との強い結びつきには慎重な面がある。しかし今回のF−16生産契約は、インドの兵器体系全体が旧ソ連式から米国式に変わる嚆矢(こうし)となる可能性がある。米国にとっては大きな利益となるが、こうした“商売上”のメリットより遙かに大きいのが、地球規模の戦略上のメリットだ。

 F−16は1970年代の開発で、米CNNテレビは「クラシックな戦闘機」と評しているが、LM社によるとインド生産分のF−16は最新型の「ブロック70」。新鋭のAESAレーダーに推力が増強された新型エンジン、赤外線照準システムなどが取り入れられている。外見上大きな変化は、背面の一体型増設燃料タンクしかないが、金属外皮の中身はほぼ全て最新機器に一新されており、1998年に初飛行した中国の最新鋭機「殲10」より性能は遙かに上とみられる。

 近年、中国は海軍を増強させシーレーン防衛に傾注し、インド洋沿岸国の港湾整備を支援する「真珠の首飾り戦略」を進めている。一方のインドはこれに対抗し、アフリカ東部から東南アジアまでに拠点を設け、真珠の首飾りのエリアをカバーする「ダイヤのネックレス」構想を持っている。

 いずれもペルシャ湾からの原油輸送ルートを確保するためのものだが、中国の東シナ海と南シナ海への覇権確立を危ぐする米国や日本はインドの構想を後押しする立場だ。

 インドが最新鋭戦闘機を持って対中抑止力を高めるメリットは大きく、特に米国にしてみれば将来的に軍を派遣・駐留させる必要性が減少する。

posted by seesaa-ita16 at 11:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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